2020年11月1日
 
新型コロナウイルスとノロウイルス
 
ノロウイルスによる食中毒が冬に多く発生します。
11月くらいから増加して、12～翌年1月がピークになる傾向があります。
ノロウイルスは手指やいろいろなものを介して口に侵入することにより感染します。
 
ウイルス性食中毒 食品からの感染
 
・汚染された二枚貝を生あるいは十分に加熱調理しないで食べた。
・ノロウイルスに感染した人が調理して汚染された食品や水を食べたり飲んだりした。
 
ウイルス性急性胃腸炎（感染症） 接触感染、飛沫感染、塵埃（じんあい）感染
 
・ノロウイルスに汚染されたドアノブ等に触れた手指を介して口に入る。
・感染した人のふん便や吐ぶつを処理したときに手指等を介して口に入る。
・感染した人のふん便や吐ぶつからの飛沫や乾燥した塵埃が口に入る。
 
ノロウイルスに感染したときの症状
 
主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。
突発的な吐き気や嘔吐が特徴的で、
室内等で嘔吐をして、環境を汚染する原因となります。
通常、1～2日で治癒し、後遺症もありません。
健康な人は軽症で回復します。
感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
しかし、子どもやお年寄りは重症化したり、
吐ぶつを気道に詰まらせて死亡することがあります。
 
ノロウイルスの治療薬はない
 
ノロウイルスには予防接種のワクチンも抗ウイルス薬もありません。
脱水予防のための水分補給や
体力低下の予防のために対症療法が行われます。
 
下痢止め薬はノロウイルスの排出を止めることになります。
回復が遅れることがあるので使用しないほうが望ましい
とされています。
 
ノロウイルスの感染対策
 
ノロウイルスの感染力は非常に強く、
わずかな量が体内に入っただけで容易に感染します。
感染した人のふん便や吐ぶつには
ウイルスが大量に含まれています。
処理をするときにはマスクと丈夫な手袋を着用します。
使用した雑巾やタオル等は密閉して廃棄します。
汚れた衣類等は消毒が必要です。
 
次亜塩素酸ナトリウム溶液は
ノロウイルスに汚染された物品の消毒に有効です。
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスにも有効です。
しかし、手指には使用できません。
 
消毒用エタノールによる手指の消毒は
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスに効果があるとされています。
しかし、ノロウイルスに対しては効果が十分ではないようです。
 
石けんによる手洗いがノロウイルスには最も有効です。
石けんで手指をしっかり洗い、
流水で十分に流してウイルスを除去します。
消毒用エタノールによる手指消毒は補助として行います。
 
新型コロナウイルス対策で行っていることは
ノロウイルス対策にも有効です。
 
※厚生労働省等の資料を参考にさせていただきました。