7月12日。
昨年に続いて、市の温泉浴マイスター人材育成講座の講師をやらせてもらいました。講座は、入浴事故を減らして楽しく温泉に入ってもらい、健康で元気に過ごしてほしいということを目的としています。

わたしの担当は、身体健康学と精神健康学という講義です。今年のスライドを見直すにあたり、入浴事故に関する論文を探してみました。
2017年に、東京医科大学の文京区東京検診室から”入浴関連死 一般医に対する予防戦略と提案”という総説論文（PMID29263984)が発表されていますが、論文の結論と示唆を紹介すると、
・2009年の東京都における入浴関連死1001人の病歴（直接の死因ではなく）→高血圧が395人、糖尿病が181人、これら2項目で全体の約58％に達する→生活習慣病との関連が深い
・入浴関連死は60歳以上に多く、年齢と共に増える
・夏よりも冬に多い
・入浴関連死は自宅が多い
・老人ホームではほとんど起こらない。これは湯温や入浴時間を観察しながら適切な予防措置をとるため。よって、入浴中の高齢者を見守ることは必要だが、過度の入浴制限は避けるべき
といった内容でした。

身体健康学の講義ではメタボリックシンドロームの話題を扱いましたが、入浴事故との関連が深いので、学ぶ意味はあるのだろうと考えました。精神健康学では自律神経についてお話しました。

わたしの講義の後は、お二人の医師による温泉学総論、入浴事故の講義で、これはいつ聴いても面白い内容です。

講座の内容とは別の話ですが、
春に著作権の本を買って、積読にしていました。
今回の仕事の前に「講演・プレゼンテーションのときのギモン」という項目を読みましたが、昨年のスライドを確認したときに引用元の抜けが多く、ちょっと気づかいが足りないかなぁと反省しながらスライドを作り直しました。