落ち込みやすい、恥ずかしがり屋、怒りやすいなど、自分の悪いところを強みに変える
方法があるとガブリエル・エッティンゲン博士の実験でわかっています。
 
被験者たちに性格テストを行って、全員の衝動性について調べました。
それから、彼らを２つのグループにわけて、一方には「衝動的な人は創造性が高いという
データがあります」と教えて、もう一方には「衝動性と創造性には何の関係もないです」
と伝えました。
 
その後、全員の被験者に創造性テスト（「レンガの使い方を１００種類考える」）を受けさせたところ、「衝動的な人は創造性が高い」と信じたグループは本当に創造性が高くなる傾向がありました。
 
この研究により、弱点と「強み」が表裏一体だと信じれば、弱点を有利に使えることが
可能だとわかりました。
 
ネガティブな性格のメリットを紹介します。
 
衝動的＝想像力がある
怒り＝楽観性、創造性、行動の効率を高める。問題解決能力が上がる。怒りを表現すると、
交渉を成功させやすく、人々を動かして状況に変化を起こすことができるという事が多くの
研究から実証されている
怒りやすい＝勇気を出しやすい
ネガティブ感情＝ポジティブ感情より10％創造性が高いという研究結果がある
落ち込みやすい＝注意力が高くなる
怖がり＝準備をおこたらない
悲観的＝現実的に物事を見る
悲しみ＝嘘を見抜く能力を高める
不安になりやすい＝集中力や警戒感が高くなる
うつ状態になりやすい＝物事の分析力が高い
恥ずかしがり屋＝穏やかで謙虚
なまけもの＝忍耐力がある
傲慢な性格＝自信がある
罪悪感が強い＝倫理観を増幅
新しいことに挑戦するのが苦手＝継続力がある、忍耐力がある
 
「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」という本にネガティブ感情のメリットの研究結果が
書かれています。
 
ポジティブ感情は場合によっては害があり、ネガティブ感情を持った方がいいことも
あります。
根がネガティブな人に「ポジティブに考えろ」と言うと、逆に不安が強くなったという
研究があります。
うつ病の人に「頑張れ」と言うように逆効果になります。
 
全てをポジティブに変換するのではなく、ネガティブな感情も上手く活用して自分らしく
生きればいいんです。
 
ＵＳＪ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）を経営の危機から救ったマーケターの
森岡毅さんは「弱点を克服すること自体が価値を生み出すことはない」と言っています。
 
欠点を克服すると欠点の強みがなくなります。
弱みと強みは表裏一体になっています。
 
577人の被験者に「自分の強み」を選んでもらって、意識してその強みを毎日使うように
指示した実験では、幸福度がアップしてうつ状態が改善しました。
 
自分の幸福度を高めるためには欠点を克服するより、自分の長所と欠点の強みを活かす
生き方をしたほうが良いようです。
 
山や谷の風景が美しいのは凹凸があるからです。
欠点を埋めて平地にするより、自分の長所を伸ばしたほうが魅力的な人間になれます。
…たぶんね。