前回のブログの続きです。
当薬局ではジェネリックをどう勧めているか少し紹介します。
 
・一貫性
人間は行動を一貫させようとします。
お薬手帳にジェネリック医薬品の記入があれば
「今までジェネリックを使用されていましたが今回もジェネリックを使用されますか？」
と聞けばジェネリックに変更する方が多いです。
先発品を使用していた場合は「今まで先発品を使用されていましたが…」とは聞きません。
一貫性の傾向は歳を重ねるごとに強くなるので高齢者が今までジェネリックを使用している
場合はそのままジェネリック医薬品を使用することが多いです。
 
・社会的証明
人間はみんながやっていることをやりたくなります。
例えばタピオカミルクティーをみんなが飲んでいると飲んでみたくなってしまいます。
 
社会的証明の効果を高める方法は「不確かさ」と「類似性」です。
健康診断で糖尿病だと診断され薬を飲むことになったけど、先発品とか
ジェネリックのことをよく知らないという不確かさがある方に
「糖尿病の薬は高いものが多いので他の糖尿病の患者さんはほとんどジェネリックに
変更してます。それなのでジェネリックにしませんか？」と聞けば、
自分と同じ糖尿病の人はジェネリックを選ぶ人が多いんだと思い、
ジェネリックを選びやすくなります。
 
・好意
良い人そうだと思われるとお願いを聞いてもらいやすくなります。
ジョー・ジラートが得意とした方法です。
彼は平均で1日に5台以上の乗用車とトラックを売り、
「世界で最も偉大な自動車セールスマン」として「ギネスブック」に
載りました。
彼は「自分が気に入ったセールスマンと、納得できる価格。この2つが
一緒になれば、誰でも車を買いますよ」と言っています。
簡単に好意を上げる方法は身だしなみを整えることです。
だから学校でも会社でも身だしなみを整えるように指導されます。
 
 
聞き方や態度だけではジェネリックを選びやすくなったりしないんじゃないかと
反論する方もいると思うので、1つゲームに付き合ってください。
 
次の数字を足し算してください。
 
2＋2は？
 
4＋4は？
 
8＋8は？
 
16＋16は？
 
32＋32は？
 
それでは
5から12の間で好きな数字を選んでください。
 
あなたが選んだ数字はこのブログの最後に書かれた数字ですね。
 
この方法だと9割以上の方に同じ数字を選ばせることができます。
私が会話で数字を選ばせた場合の成功率は9割以上でしたが、
文章だと上手くいかないかもしれません。
 
このように相手に自分が選ばせたい数字を選んでもらうことができるので
ジェネリックにするかしないかの2択なら少しは誘導できます。
ジェネリックを勧める以外にも話し方や態度で患者さんを安心させたり
前向きにすることもできるので優しく対応したほうがいいです。
 
患者さんに優しく接したり、信頼されることで薬のプラセボ効果が強くなり
薬の効きが良くなるので優しく接し信頼されたほうが良いです。
プラセボは思い込みで効果のない薬を飲んでも痛みが治まったりすることです。
 
スタンフォード大学でプラセボの効果を強くするにはどうすればいいかと
164人の参加者を集めて実験をおこないました。
参加者に「アレルギーテストをします」と告げ、ヒスタミンという肌が赤くなる注射をして、注射した部位に「アレルギーを抑えましょう」と言い、
効果のないクリームを塗りました。
クリームを塗った医師が優しくて有能そうだった場合は、優しくなさそうな医師や無能そうな医師に塗ってもらうのに比べてアレルギー反応が半分しか起こりませんでした。
 
医療従事者が患者さんに優しく接して信頼されることでプラセボ効果が強くなるので、
信頼関係を築くことと優しさは大切です。

次回は「仕事を楽しくする方法」を紹介します。⑦