今月の4日に、下の子が4歳の誕生日をむかえました。その時の写真です。悪魔のような顔をしているのが上の子です。ひとりの時は良い子なのですが、下の子と一緒だと御覧のような顔に変身します。困ったものです。
最近、薬局に来局された患者さんに、「医師から夜愕症といわれたのよ。どんな病気?こんど教えてね」と言われました。その方は、高齢な方で、腕のしびれや痛みで受診しています。他院で睡眠薬ももらっているので、次回、どんな薬飲んでいるのか薬を持って来るように医師に言われたそうです。夜愕症についてよく知らないので調べてみました。
夜驚症(やきょうしょう) (睡眠時夜愕症)
夜驚症の症状は眠り始めて1〜2時間経過し、熟睡状態に入ったと思われるころに突然布を引き裂くような悲鳴を上げて起き上がります。大きな叫び声をあげるところが特徴で、目を大きく見張り、表情は恐怖に引きつっています。呼吸は速く不規則で荒々しく、脈拍は普段の2倍くらいの速さになります。さらに全身の皮膚が赤らんだり、多量の汗をかいたりします。多くは寝床の上に起き上がる程度ですが、部屋の中を泣きわめきながら走り回ったりします。多くは5分以内で終了しますが、長いときには20分間も続くことが報告されています。パニック状態では声をかけてもほとんど応じません。無理に覚醒させようとすると激しく抵抗します。覚醒しても錯乱状態で、現在自分はいまどこにいて、どのような状況であるかはまったくつかめていません。
起きる直前に何か怖い夢でも見ていたかと尋ねても、ほとんど答えることは出来ません。また、現在自分は何におびえて泣き叫んでいるのか、そのわけを話すことも出来ません。夜驚症のエピソードは家族にとっては大騒ぎですが、当人は翌朝にはこのパニック状態のことをほとんど覚えていません。このため、走り回っても怪我をしないように部屋の中を整え、静かに見守るのが良いとされています。
夜驚症はどの年齢でも起こりますが、3〜12歳児に多く見られ、発症の頻度は子ども3%、大人1%以下です。子どもの場合は成長に伴って自然に症状は消失しますので、重症の場合は別として、多くは安全に気配りして見守るのが良いとされています。
夜驚症は、子どもの病気と思い込んで、大人にもあることがついつい見落とされがちです。大人では20歳から30歳で見られることが多く、高齢者ではほとんど起こらないようです。心身の疲労や不安緊張など心理的、身体的なストレスがかかると起こりやすくなります。激しい虐待や暴行、大惨事に遭遇するなど強い心的外傷体験でストレス障害(PTSD)があるときには、特に症状が強く現れます。ご本人にはほとんど記憶がありませんから、なかなか気がつかないのですが、ご家族など周囲の方に症状があると言われた方は、一度専門医の先生と相談することが大切です。
以上の内容を踏まえて、次回、患者さんの来局時に話をしてみます。
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